経理が強い会社のメリットとは何か? | 経理が強いの意味も合わせて解説
さて、今回は「経理が強い会社」というテーマでお届けしたいと思います。そもそも経理が強いとは何か?経理が強いと会社にとってどういったメリットがあるのか、という点も合わせて解説できればと思います(*^▽^*)
もくじ
経理が強い会社とは? | 経理が強いとは何か?
よく言われる「経理が強い」というのはどういった意味なのでしょうか?色々な意味があると思いますが、ビジネス的な視点で見るのであれば、経理が強い=数字をしっかりと管理できて、数字に基づいて行動ができる会社、と読み替えることができると思います。数字がしっかりと管理できて・・・というのは、会計でいくと「管理会計」の守備範囲ですね。
ちなみに、正しい財務諸表を作成するために使うのは、「財務会計」でしたね。財務会計はしっかりとしたルールが整備されているので、これに従って書類を作成しなければなりませんが、管理会計は数字の視点から会社の経営をよりよくしていくために存在しているので、きちっと決まったルールが決まっているというよりはその場その場の状況に応じて使い方を変えていくイメージですね。
財務会計と管理会計の違いについては以前の記事で書いてますので、こちらも合わせて参考にしてください!
関連記事:財務会計と管理会計の違いがわかる
経理が強い会社とは? | どういったメリットがあるのか?
では、経理が強いと会社にとってどういったメリットがあるのでしょうか?先ほど数字に基づいて行動ができると書きましたが、会社の動き方って、①戦略、計画を立てる、②計画に基づいて実行する、③実績と計画を比較して想定と違うところを分析する、④分析に基づいて改善するためのアクションプランを実行する、この流れなんですね。
そして、計画を立てたり実績を集計したりというのは、「数字」というのが事実情報として扱いやすいですし、理解がしやすいんですね。なので、このようなPDCAサイクルって管理会計の予算と実績管理が使われることになります。数字を見れば、成果が出ているのか、出ていないのか?そもそも想定した成果なのか、たまたまの成果なのか?このあたりがわかってきますね!
では、計画が無い中ビジネスをしようとすると、どうなるでしょうか?まずビジネスをやっていく上で重要なのは、どの領域にどうリソースを配分していくか、ということです。リソースというは、お金とか人員とか、利益を生み出すのに必要なものを指しています。世の中に競合の会社がいなければ、ゆっくりと時間をかけて色々な領域にリソースをかけていけば良いと思うのですが、世の中には競合がたくさんいて、常に新しいプレイヤーも参入してこようとしてます。こんな中では、リソースを分散させていると、全部が中途半端になってしまい、1つの領域にリソースを集中投下していくる競合に負けてしまうのですね。
例えば広告予算とかわかりやすいですが、自社が全部で10の領域に100づつ予算を使うところを、他社が1つの領域に1,000投入してきた場合、どんなに広告の内容が良くても10倍の予算差があるので、これを埋めるのは結構大変ですよね。そのため、リソースを特定の領域に集中させるって結構重要なのです。
そして、このリソースの配分をどうするかを数字でとらえたのが「予算/計画」なんですね。なので、予算というのは、いくらのお金や人員を投入して、いくらの売上・利益を出すか、というのをまとめたものなんですね。なので最初に戻りますが、計画がないとこのリソース配分が適切にできないので、競合にあっという間に負けてしまう可能性があります。逆に言うと、経理が強い会社のメリットは勝てそうな領域にリソースを適切に集中投下できる、ということなんですね。
経理が強い会社とは? | 実績管理
続いて計画と対比される実績ですが、計画だけ立てても、その通りにビジネスがうまくいくことはかなり難しいんですね。そしてこの計画というのは作成した時の仮説に基づいて作成されているので、もちろん経済環境とか競合の環境が変われば、その仮説の前提も全て変わっていきます。
なので、現状をしっかりと認識してそれを数字で把握するための実績管理というのが必要になってくるんですね。そして実績は数字を集計して計画と比較するだけではなくて、なんで差が出たのかという当初計画との差を分析して、改善プランを考えていく必要があります。もちろん当初計画の前提があまりにも崩れている場合には、計画自体の見直しも必要になってくるでしょう。
そして、これらを先ほどのリソース配分と絡めて説明すると、実績を積んでいく中で、もし当初のリソース配分の仕方が今のビジネス環境に合わないのであれば、それを修正していく必要があります。一番大きいテーマでいくと、そもそも投資する領域を変えるということですね。
経理が強い会社とは? | まとめ
ここまで、経理が強い会社というテーマで、計画の作成と実績管理など会社のPDCAサイクルも含めて解説をしてきました。経理が強い会社というは、数字を適宜しっかりと把握をして、ビジネスの意思決定を行うための情報を提供することだ、ということがなんとなくご理解いただけたかと思います。
数字に基づいてビジネスで起こっていることを管理することで、より客観的に事実を捉えることができますし、分析もその事実に基づいてできるようになってくるのですね〜。結局ビジネスでの判断を大きく間違えないポイントって、客観的な情報に基づいて客観的に合理的な判断ができるかどうか、というところかな、と思いますので。客観的に見たからといって成功するわけではないですが、大きく失敗する前の小さい失敗時点で撤退できるという、大外しを防ぐというのはビジネスを継続する上ではかなり重要なことかな、と思います。
今回は、経理というよりは少しビジネス寄りな内容になりましたが、今後もビジネス絡めた経理のお話はたまにしようかな〜と思います。ではまた次回!
経理の決算業務についての解説 | 決算とは何をすることのなの??
さてさて、本日のテーマは「決算」です。用語は聞いたことあると思いますが、具体的に何をしているのかって、経理業務をやっていないと、なかなかイメージつきにくいですよね。本日は、この「決算」業務について、どんなことをしているのか、について解説をしていこうと思います。
ちなみに、経理初心者に向けて、決算書の概要について以前の記事で触れてますので、こちらも合わせてご覧くださいな(^。^)
関連記事:経理初心者に向けた決算とは何か?
経理の決算業務 | 基本編
そもそも経理業務における決算業務って何者でしょうか??ざっくり言ってしまうと、貸借対照表、損益計算書を作成して、企業のある一定期間の成績を書類にまとめることだとご理解ください。ここである一定期間って言っているのは、通常少なくとも年1回はこの決算書を作成するのですが、上場会社は四半期ごとに求められたり、また違う法律だと作成頻度が異なってくるので、あえて一定期間と書きました。
この決算で使う数字の源泉は、記帳で会計システムへ入力した数字です。これが決算の時に集計されて、一定の調整が入って、決算書になります。なので、そもそも日々の記帳をしていないと決算書は作成できません。ちなみに、税務申告はこの決算書をベースにして作成されるのです。
経理の決算業務 | 貸借対照表と損益計算書とは?
ここで、貸借対照表と損益計算書について簡単に触れていきましょう。貸借対照表というのは、決算月末の企業の財務状況を示した書類になります。例えば、現金がいくらあったか?借金がいくらあったか?など、持っている資産と返さなければならない負債、そしてその差額である純資産をまとめたものになります。
続いて損益計算書ですが、これは1年間だったら1年間の企業の売上から、その売上をあげるために費やしたコスト、そしてその差額である利益、これらをまとめた書類になります。なので、損益計算書を読めば、その会社が黒字なのか赤字なのか、を把握することができます。
これに加えて、キャッシュフロー計算書というものがあります。これは1年間だったら1年間の企業の資金の出入りをまとめた書類になります。損益計算書と何が違うのかということですが、会計のルールってちょっとややこしくで、売上が計上されるタイミングと現金が入ってくるタイミングが必ずしも一致しません。例えば、販売した金額を翌月末にまとめて回収する場合、現金が入ってくるのは翌月末ですが、会計上の売上は現時点で計上してしまうため、このケースだと1ヶ月のタイムラグがあるのですね。そこで、損益計算書だけ見ていると月次の決算が黒字になっていたとしても、実際にお金が入ってくるのは来月なので、キャッシュで見ると赤字になって、資金が足りなくなるなんていうケースが発生したりするのです(°▽°) こういうのを黒字倒産と言ったりしますが、これを防止する観点から、キャッシュフロー計算書で現金の出入りを見るのですね。
経理の決算業務 | 決算処理とは?
さて、続いて決算時に行う特別な処理を説明します。決算時に行う仕訳のことを決算仕訳と言ったりしますが、日々の取引では処理しないようなものを入力していくことになります。例えば、減価償却が有名ですね。これは、有形の固定資産を購入した場合に、支出したタイミングで費用処理してしまうと、固定資産が活躍することで獲得できる売上との期間がズレてしまうので、これを防止するために擬似的に償却年数というものを決めて、例えば20年だったら20年で均等に費用化していきましょう、というものになります。
こういった処理は日々の取引では登場しないので、決算の時に仕訳を入力することになります。減価償却以外にも、例えば連結処理も決算時に行いますね。これは親会社子会社間の取引を相殺処理したり、親会社から子会社への投資額を子会社の資本と相殺処理したりなど、の処理があります。その他、繰延税金資産や減損処理、貸倒引当金など、結構難易度の高い処理が決算に行われています。
経理の決算業務 | 経理処理のルールは?
では、上記で挙げていった難易度の高い処理は、どういったルールに基づいて行われているのでしょうか?会計処理のルールは、会計基準というものがございまして、それに従って処理が行われていきます。例えば会計基準でいくと、以下のサイトが参考になるかと思います。
会計基準:
https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/accounting_standards.html
このように、論点ごとに色々なルールが存在しておりまして、決算を行う人はこのルールをしっかりと理解した上で、その企業の実態を踏まえて会計処理を行う必要があるんですね。そして、例えば上場会社だと公認会計士の監査も必要になるので、会計基準に照らして処理が適切かどうかの確認をしてもらう必要もあります。
えっ?会計基準ってめっちゃ難しいんですけど?、って思った方、そうです結構難しいです。実は会計基準ってかなり細かいですし、これを企業の実態に照らして解釈をして経理処理をしていかないといけないので、かなり頭を使う作業なんですね。加えて公認会計士への説明も必要なので、コミュニケーション能力が結構求められてくるわけです。なので、決算担当って日々の勉強もそうですし、論理的に物事を考えてアウトプットできる能力が求められてくるんですねーー
経理の決算業務 | まとめ
さあ、いかがでしたでしょうか?経理の決算業務についてなんとなくイメージがついたのではないかと思います(*^▽^*) 個々の会計処理については詳細すぎるので説明はしませんが、興味ある方は一度会計基準を読んでみてください。
では、また次回に!
経理未経験の方へのキャリアプラン解説編【2021年度最新版】
さて、本日はキャリアプラン編に少し戻って、経理未経験の方々に向けて、どんなキャリアプランを考えていけば良いのか?ということでお届けしたいと思います。そもそも未経験なんでキャリアプランと言われても、???、ってなってしまいますよね(°▽°) そんな人が多いかと思いますので、経理未経験者の方々によって、どのようなキャリアプランが考えられるのか?キャリアプランを選択する場合にはどのような視点で考えれば良いのか?そしてキャリアプランを検討する上での何かポイントは?この辺りを踏まえて、語っていこうと思います!!
- 経理未経験の方のキャリアプラン | 基礎編
- 経理未経験の方のキャリアプラン | 記帳
- 経理未経験の方のキャリアプラン | 決算・会計
- 経理未経験の方のキャリアプラン | 税務関連
- 経理未経験の方のキャリアプラン | 海外管理
- 経理未経験の方のキャリアプラン | CFO
- 経理未経験の方のキャリアプラン | まとめ
経理未経験の方のキャリアプラン | 基礎編
そもそも経理未経験の方にとって、経理のキャリアプランを考えるにあたって、どんなことに注意すれば良いのでしょうか?まずは、経理の仕事の全体像を把握することからスタートした方が良いと思います。キャリアプランを考える上では、経理に限らず、常に全体から把握した方が、キャリアプランがより明確にイメージできるかと思います。
そして経理のキャリアプランを考える上では、経理のみを考えるのではなくて、経理関連のお仕事についても把握しておいた方が、より全体像が見えてくると思います。また、経理よりももっと幅広い概念で、マネジメント職であるCFOなどの職業についても理解をしておいた方が、よりゴールイメージが見えてくると思います。
では、経理職の全体像って大まかに分けていくと、どのようになっているのでしょうか?通常いろんなことを掛け持ちして仕事しているケースが多いので、実務からすると明確な切り分けが難しいのですが、例えば以下のような切り分けができると思います。
・記帳などのいわゆる経理処理業務
・決算など、主に会計理論を使って仕事を進めていく業務
・税務関連の業務
・海外関連の管理業務
・CFOなどのマネジメント業務
この5つぐらいがまずは挙がるかと思います。ちなみに、全てのマスターするのは時間的に無理ですので、この中からいくつかを自分の強みとして、キャリアプランを形成していく形になるかなー、と思います。では一つ一つ解説していきましょう!
経理未経験の方のキャリアプラン | 記帳
記帳は、キャリアプランの中でももっとも基本的な土台となる部分です。まずはここをしっかりとマスターしないと、この先には進めません。なので記帳はキャリアのゴールというよりかは、キャリアの土台となる部分と理解すると良いでしょう。
まずはここで経理の基礎をしっかりと磨き、次自分が経理のどの部分でプロフェッショナルになっていくのか、ということを決めていくことになります。もちろん記帳といっても結果的には決算を手伝ったり、税務関連のお手伝いをすることもあると思いますので、仕事をしていく中でご自身の趣向を確認していく形になるかな〜、と思います。
経理未経験の方のキャリアプラン | 決算・会計
これは、どちらかというと、大企業・上場企業がメインになってくるかもしれませんが、四半期ごとに開示する必要がある決算書について深掘りをしていくタイプの方です。決算書については、会計関連のルールをかなり細かく知っておく必要がありますし、上場企業になってくると連結会計やM&A関連の会計処理、そして海外など、かなり複雑になってきますので、これをマスターするのはそれなりに大変です。
そして会計処理だけでなくて、税務との関連も気をつけておく必要がありますし(税効果会計で税務の知識をかなり活用することになります)、また財務諸表を開示するときは開示ルールに従わなければならないので、これを覚えて慣れていくのも結構時間がかかるものです。
経理未経験の方のキャリアプラン | 税務関連
こちらは、申告などの税務関連の業務になってきます。企業の事業が複雑ではなくて、かつ企業の規模が小さい時にはそこまで複雑ではないのですが、特に上場企業になってきたり、海外に拠点があったりすると非常に複雑になってきますので、かなり専門的な知見や経験が必要になってきます。
上記で説明した会計と同じように、税務だけでも非常に多くの法律を理解しておく必要があるので、これをマスターするにはかなりの時間がかかりますし、さらに言ってしまえば、特定の税法だけでも結構ボリュームあるので、複数の税法をマスターするのは相当大変です。
経理未経験の方のキャリアプラン | 海外管理
これは、どちらかというと管理会計に近い世界で、一部財務会計が出てくる形かな〜と思います。海外については、海外の収支管理や、必要に応じて取締役会などへの出席などガバナンスを担当する場合がありますので、経理+経営企画的な業務、というのがメインの仕事になってくるでしょう。
そして会計と税務については基本的に現地の子会社が担当することになるのですが、例えば連結の論点が出てきたり、何か日本側とやりとりする機会がある時には、海外の会計や税法を理解する必要があるので、英語力+会計と税務のそれなりの知識力(基本だけでは厳しいかも・・・)、が求められます。
経理未経験の方のキャリアプラン | CFO
最後はマネジメント職であるCFOです。これもいきなりCFOというよりは、上記のキャリアもしくは財務や経営企画など他の職種から、の2つのパターンで経験を積んだ上でなることがほとんどだと思います。
CFOというのはマネジメント職なので、経理に関する知識があるかどうか以上に、組織をきちんと運営できるか、が非常に重要になってきます。具体的には、必要な人材を採用したり、育成したり、そして組織が円滑に運営できるように社内ルールを決めたり、そして経理部門の予算を決めてそれを適切に使用したり、大局的な観点で仕事をしていくことになります。
経理未経験の方のキャリアプラン | まとめ
さて、ここまで経理未経験の方に向けてキャリアプランの基礎を解説してきました。最終的にマネジメント職であるCFOを目指すのか、それとも会計や税務のように何かに特化したプロフェッショナルを目指していくのかは、ご自身の趣向や経験と照らし合わせて決めて行けば良いと思いますが、重要なのは上記のような大まかなキャリアがあるのだな〜、ということを常に頭におきながら、ご自身のキャリアプランを適宜見直ししていくということだと思います。
では、本日はここで終了となります。また次回(^。^)
経理を合理化していくのに考えるべきポイント
こんにちは、今回は経理を合理化していくのに考えるべきポイント、ということで、経理の仕事を効率化していくためのポイントを書いていきたいと思います。合理化=効率化と捉えてますが、いろんなところにITの話が出てくると思います。やはり合理化していくためにはITの利用はマストになってきます。
それではスタートしましょう(^。^)
- 経理の合理化 | 基本編
- 経理の合理化 | ITの活用
- 経理の合理化 | 例えば
- 経理の合理化 | 数字同士の転記作業
- 経理の合理化 | 消し込み処理などのマッチング作業
- 経理の合理化 | 定型的なルールによる処理
- 経理の合理化 | まとめ
経理の合理化 | 基本編
経理の合理化を考える上で重要な要素って何でしょうか?それは、
・経理業務全体のフローを可視化する
・各フローで自動化(IT化)できないか?を考える
この2点だと思います。まず経理業務全体のフローを可視化するですが、どういった業務で時間がかかっているか?ミスが起きやすいか?それを把握するためには、まず自社の中でどういった業務が発生しているのかを網羅的に把握する必要があるでしょう。網羅的に把握するといってもそこまで難しい作業ではなくて、経理の方々が何をしているのかの業務の棚卸しと、その流れ(フロー)を書き記して行けば良いのです。1点だけ注意点ですが、経理業務はほとんどの場合経理部門だけで完結していないことも多く、それは営業や人事など他部門との連携で数字を入力していく場合も多いので、経理に関連した部門の業務も網羅的に把握する人があります。
経理の合理化 | ITの活用
上記で、経理の業務が網羅的に把握できたら、次はその業務量や過去のミスなどを集計してきましょう。そうすると、特定の部分で時間がかかっていたり、ミスが発生したりする箇所がわかるはずです。そう、こういう部分にこそ、経理業務を合理化するチャンスがあるのです。
そこで出てくるのがITです。合理化していく、ということはなるべく自動化して、人が業務する負担を減らす、ミスを減らす、ということがポイントなので、そこで活用できるのが、まさにITなのです。
ITといっても特殊なことを考える必要があるわけではなくて、今手作業でやっている部分を既存の経理ソフトの機能を使って置き換えられないか、という視点で考えていくことが重要です。
ITを活用するにしても、一から開発した場合、結構なコストになりますし、業務が変わってしまうと、それに合わせてITも変更しなければならないので、まずは既存の世の中にあるサービス、もしくはすでに企業として使っているサービスの中で自動化できないか、という視点を持つことが経理の合理化を考える上ではポイントになるということです。
ITなどの活用については、過去の記事でもアップしてますので、こちらも合わせて参考にしてみてください。
経理の合理化 | 例えば
経理の合理化で例えば、どういうポイントが合理化できそうなのでしょうか?具体的に考えられる経理の合理化ポイントをざっと下記のように挙げていきます。
・数字同士の転記作業
・消し込み処理などのマッチング作業
・定型的なルールによる処理
この3点ぐらいが考えられるかなと思います。それぞれ見ていきましょう(^。^)
経理の合理化 | 数字同士の転記作業
経理の合理化の1つ目は、数字同士の転記作業です。これは具体的に、経理処理を行なっている経理システムと、その前提となる各データ(例えば営業関係のデータや人事関係のデータなど)、との関係が考えられます。例えば、販売に関するデータは営業部門がエクセルなどでデータ管理をしていて、経理部門は月次でこれを入手して、手入力で経理システムへ入力する、もしくは人事部門が給与支払等のデータを別システムで作成していて、月次でこれをダウンロードして経理部門に渡し、経理部門はさらにこのデータを経理データにアップロードする、こういったことをイメージしてください。
こういった作業というのは、同じシステムであればほとんどの場合で各データ間の自動連携をしてくれるので、上記のような作業が不要になってきます。必要なのは、経理部門が定期的に正しくデータが取り込まれて反映されているかどうか、このチェックを行うことぐらいになるでしょう。これだけでも経理の業務がだいぶ合理化されるはずです。
経理の合理化 | 消し込み処理などのマッチング作業
経理の合理化2つ目は、消し込み処理の合理化です。通常、入金や出金というお金周りのデータというのは銀行データの方に情報が貯まっていくので、経理システムと自動連携しているわけではありません。なので、経理担当者としては、銀行データをダウンロードして、経理システムの方へ入力した売掛金や買掛金などの債権債務を一つ一つ消し込んでいく必要があります。
この時に簡単に消し込めれば良いのでしょうが、例えば振込人が不明だったり、金額が若干違ったり、そもそも支払いがなかったりすると、その分を適切に把握しなければならないので、この消し込み作業というのは結構時間がかかるものです。
100%削減できるわけではないですが、この消し込みを合理化するためのツールも存在していて、ある程度の部分までは自動化、一部手作業でマッチングをしていくようになります。ある程度の部分まで自動化されるだけでも結構な合理化と、ミスを減らすことが可能なので、経理の合理化を考える上では導入検討の可能性があるサービスなのではないかな、と思います。
経理の合理化 | 定型的なルールによる処理
経理の合理化の最後は、定型的なルールの場合の処理の自動化です。これは1番目に触れた数字同士の転記作業とも絡んでくるのですが、例えば営業データ関連は仕訳がおおよそ、売掛金と売上、で成り立つので、最初からこの仕訳で経理データを作るように自動化することです。
これも実際には、このパターンの場合は未収入金、このパターンの場合は立替金、といろんなルールがあると思うので、それを経理データに取り込む前にパターン化してしまいます。たくさんあるデータを一つ一つ見て仕訳を入力していくのは現実的ではないですからね〜〜
経理の合理化 | まとめ
経理の合理化というテーマでお届けしてまいりますが、いかがでしたでしょうか?全て合理化できるわけではないですが、世の中にある便利なサービスを組み合わせれば結構の合理化が可能なので、ぜひ試してみてくださいね(*^▽^*)
では、また次回☆
経理からの転職のポイント
さて、本日は経理からの転職ということで、経理から他の職種にいく場合について、をテーマに話をしていこうかなと思います(*^▽^*) 経理のキャリアアップ、キャリアプランです。。
現在経理職にいらっしゃる方は、色々な理由で転職を考えられていると思いますが、その参考情報になればいいな〜と思います。ちなみに個人的な見解でして、絶対にこれが正解というのはないので、あくまで参考程度に思ってくださいな(^。^)
もくじ
経理からの転職 | 基礎編
どんな職種でもそうですが、転職するにあたって考えることがあります。それは、転職は新卒採用と異なって、スキルと経験が受け入れる側の企業とマッチするかどうか、という点です。第2新卒とか未経験だとこれが若干薄くなると思いますが、それでもマッチング度は新卒採用の時よりも高く求められます。
そして、この受け入れる企業とのマッチングが非常に重要なポイントなのですが、職種が異なる場合は業界が同じ方が有利になります。なぜなら、どんな仕事でも業界の知識というのは仕事をやる上で必要でして、具体的には専門用語とか業務の流れとか、この辺りを知っているというのはそれだけスムーズに仕事に入れるので、職種は未経験だったとしても、業界が異なっている人よりは有利に採用される可能性があります。
さらに重要なこととして、職種が違ったとしても比較的近い位置にある職種の方が、成功確率が高いと思います。なぜなら、今やられている仕事での知識や経験の一部がそのまま活きるからです。なので、未経験ポジションだったとしたら、全くの未経験よりも一部でも経験が活きる領域のある人の方が成功確率が上がるでしょう。
これらは絶対必要ということではありませんが、転職の場合は他の候補者さんとの相対的評価になるので、全く同じ条件であれば差があるスキルや経験で採用確率は上がる、ということなんですね。
経理に近い仕事でいくと、例えば財務のポジションとか、ベンチャーの管理部門、経営企画、もしくは内部監査、などが挙げられます。このあたりの内容は過去の記事にもアップしておりますので、合わせて参考にしてみてくださいね(*^▽^*)
経理からの転職 | キャリアプランを考えよう
さて、上では受け入れる側の企業とのマッチングについて解説してきました。ここでは、今後はご自身の方に視点を移して説明をしていこうと思います。まず転職を考える上で重要なポイントとして、ご自身のキャリアプランです。最終的なゴールをどこに据えるか、ということですが、このキャリアプランが明確でないと、転職しても満足度が下がってしまう可能性があります。
正直、5年後のキャリアプランなんて途中で結構変わってしまうので、完全に計画通りにいくことは少ないですが、少なくともプランがないとなんのために転職をするのか、という理由を見失ってしまうので、現状のキャリアプランで十分ですので、まずは仮でセットしてみましょう。そうすると、それに必要なスキルや経験、リレーションなど色々なものが見えてくるはずです。
そして、その不足しているものを得るために、転職を検討するのです。こう考えることによって、なんとなく転職して失敗するのを防ぐことができるので、キャリアプラン設計→不足するスキルや経験の洗いだし→転職の方向性を決める(転職しないという選択肢も含めて)、この流れは一つ参考にできるかな〜と思います。
一番防がなければならないのは、転職ありきでキャリアプランがない場合なので、転職ありきで物事を考えるのではなく、ご自身のキャリアプランやライフプランをよりよくするための手段だと思って、一度立ち止まってじっくりと考えるようにしましょう(*^▽^*)
経理からの転職 | 経理職のキャリアプランの考え方
最初の職種として経理を選んだ方であれば、やはり数字を使った仕事、もしくは内部監査のような数字が活きる仕事、へのステップアップの方がハードルが低いと思うので、まずはこの領域からキャリアプランを検討すると良いと思います。
先ほど上でも触れました、経営企画や財務、内部監査あたりの職種ですね!経理からの経営企画、もしくは財務のキャリアプランについても、以前に記事としてアップしてますので、よかったらそちらも参考にしてみてください(^。^)
経理から営業職、経理からエンジニア、など全く異なる職種にチャレンジしてキャリアの掛け算の幅を増やすという考え方も良いと思いますが、前職での知見や経験が活きる部分がかなり狭まってしまうので、その辺りは「そうであってもチャレンジするんだ!」という熱い想いがあれば、良いかなと思います。
まとめ
さて、本日は経理からの転職ということで、キャリアプラン・キャリアアップをテーマに解説をしていきました。キャリアプランを見直したい、転職をちょっと検討している、という方のご参考になればいいな〜と思います。
では、今日はこの辺で終わりにしまーす、、また次回をお楽しみに!
工場の経理ってどんなもの?
さて、本日はちょっとテーマを変えて、工場の経理について解説をしていきます。馴染みのない人の方が多いと思うので、あえてテーマで解説をしてみようと思いました(*^▽^*)工場、つまり製造業の経理になるわけですが、製造業の場合「原価計算」というのが特殊分野になってきますし、実際結構難しい内容なんですね。日商簿記でいくと、「工業簿記」というのが、この原価計算に該当してきます。それでは、内容に入っていきましょう!
もくじ
工場の経理 | 基礎編
さて、工場の経理でも特に特殊な分野である原価計算について解説をしていきます!原価計算って何を目的にしているかというと、1つの製品を製造するのにどの程度のコストがかかったのかを集計するための計算方法なんですね〜。日商簿記やられている方だと2級から登場すると思いますが、まさに製造コストを計算することが最終目標なんですね。
ここで、簡単じゃーん、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、材料費とかその製品にかかった直接の人件費だけ、ならコスト計算簡単なのですが、間接費といって、その製品の製造に直接ではないけど間接的にかかっているコストが特殊なんですね〜。例えば、工場の電気代とか、あとは工場全体で共有で使っている資産の減価償却費など、これって直接どの製品のコストが判別できないですよね?だからこそ、例えば製品の重量とか製造にかかった時間とか、いろんな基準を用いてこれを配分していくんですね(配賦と言ったりします)。
工場の経理|なぜ原価計算が必要?
でもかかったコストって全体額ではわかるので、損益計算書は原価計算しなくても作れそうですよね?それにも関わらず、なぜあえて原価計算をしなければならないのでしょうか?これは製品ごとに正しく利益が出ているかどうかを把握するためなんですね!工場全体で儲かっているからと言って、必ず製品ごとに利益が出ているとは限らないですよね?
儲かっている製品もあれば、赤字になっている製品もある、その合計が損益計算書の利益として計上されているわけです。なので、例えば赤字の製品の製造をストップすれば、利益の金額ってもっと増えると思いませんか?その意思決定をする上で、原価計算というのは大変重要な計算ツールなんですね。
原価計算の細かい方法については、日商簿記の2級や1級が参考になると思いますので、気になる方は、関連テキストなどを確認されると良いと思います(^。^)
工場の経理 | 原価計算から管理会計への応用
財務会計と管理会計の違いがわかる | そもそも管理会計って?、で管理会計について解説をしましたが、その管理会計って原価計算を基礎としているんですね。そこで、工場の経理と管理会計の関係についてここで解説をしていこうと思います。
工場で使う管理会計で有名なものに、活動基準原価計算(ABC)というものがあります。ちなみにABCは、activity based costing、の略になります。これを説明する前に、先ほどの間接費の配賦について思い出してください。あれって間接費を、ざっくりとした基準で製品ごとに配賦計算していくものでしたね。でもあくまでざっくりなので、正しい1製品あたりのコストを示しているかというと、ちょっと正しいとは言えないですよねー。
そこで登場したのがABCです。何が違うかというと、配賦計算の基準を細かく分解して、たくさんの配賦基準を設定することで、正しく製品単位あたりのコストを計算しよう、というところです。例えば、電気代であればラインごとの電気使用量が計測できればそれを基準にして配賦計算を行う、もしくは共有資産の減価償却費であれば、ラインごとの使用量みたいなものを計測して、それを基準に配賦計算する、などです。
このように細かく基準ごとに分解することで、ざっくりよりは正しくなったよね、ということになるわけです。ここで原価計算の目的を思い出してもらいたいのですが、ビジネス的には製品1つが儲かっているかどうかを判断したいということなので、より正しくコストが計算されていないと、意思決定を誤る可能性がありますよね。なので、ざっくりではなくABCのように細かく配賦計算をしていく、ということが非常に重要になってくるんですね〜
ちなみに、このABCですが製造業だけじゃなくて小売などのサービス業、もしくは本社機能(例えば経理とか人事などのバックオフィス)にも活用することができます。
工場の経理 | 勉強するには?
これも先ほど触れましたが、例えば日商簿記の工業簿記がオススメです。2級で基礎を、1級で応用を学ぶイメージです。3級まで学んだ方がつまずくポイントでもありますが、工業簿記は商業簿記と違って実際の流れがイメージしにくいので、なかなか仕訳が頭に入ってこないというのがあります。ここは慣れなので、可能な限り工場のオペレーションを頭に思い浮かべて、仕訳や処理をマスターしていくようにしましょう。イメージさえできてしまえば、そこまで難しくないことに気づくはずです。
原価計算をマスターしなくても管理会計は学習できますが、ABCなど原価計算をベースにしている箇所もあるので、原価計算をマスターした上で取り組んだ方が、より理解が深まるとは思います。なので、まず2級で工業簿記、原価計算の基礎を理解してから、管理会計の勉強の取り組まれた方が良いかな〜と思います。
・日商簿記はこちら→ https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping
ちなみに、工業簿記と原価計算の用語が混乱しますが、ここではざっくりと同じだと理解していただければ大丈夫です。
まとめ
さて本日は工場の経理というタイトルで、原価計算の解説を主にしてまいりましたー。そして原価計算から管理会計の工場での応用方法ということで、ABCという計算手法について簡単に触れさせていただきました。
商業簿記と違って、数字がいろんなところに散らばっていて、なかなか全体像を把握することに苦戦する分野ではありますが、慣れてしまうと結構楽しい領域でもありますので、みなさまぜひ一度書籍等で学習をしてみてくださいね!
それでは、次回にまた!
営業から経理へのキャリアチェンジ
さて、本日はキャリア編ということで、営業職から経理職へのキャリアチェンジについて考えていきたいと思います。今までは経理関連職、例えば財務・経営企画・内部監査などについては語ってきましたが、営業って経理職とはかなり異なるキャリアなので、今までのキャリアチェンジとは変わってきますね〜。そこで今回は営業から経理へのキャリアチェンジを考えている方に向けて解説をしていきます(*^▽^*)
もくじ
営業から経理へのキャリアチェンジ | 経験が活きること
営業から経理へのキャリアチェンジということで、職種もだいぶ異なるので、全てが一からのような気もしますが、共通して経験が活きる領域というのはあるのですね。まずはコミュニケーション能力です。これは単に仲良く喋れるとか、そういう話ではなくて、相手に説明をしたり、説得をしたり、そして相手の話をしっかりと聞く、こういった力です。この能力ってどんな職種でも大変重要なのですが、経理でも重要です。
経理は淡々と記帳するだけではなく、社内外の人に対して数字を説明したり、なぜその数字になったのかの根拠を示して相手に納得してもらったり、結構説明をする機会というのが多い仕事なのです。経理の専門的な知識というのは重要なのですが、最終的にはいろんな部署が外部の人たちとコミュニケーションしながら仕事を完成させていくので、ここが欠けていると経理の仕事はできないんですね。
その点、営業職は常に高いコミュニケーション能力を求められる仕事なので、この点は非常に経理職でも活用できるスキルかな〜と思います。
営業から経理へのキャリアチェンジ | 勉強しなければならないこと
コミュニケーション力は活用できるとはいえ、職種は異なるので、覚えることは1からスタートです。勉強しなければならないことは、
・簿記の基本的な知識
・エクセルやシステムなどを使いこなす
まずはこの2つが出発点になるかなと。この辺りの勉強法については下記の記事で解説してますので、ぜひ参考にしてみてください。
まずおそらく大変なのは簿記の勉強からですね。仕事しながらになるので、学生さんのようにあまり時間がないので、集中して短期間で基礎をマスターできるようにする必要があります。上記の記事でもご紹介してますが、まずは日商簿記の教材あたりを参考にしながら勉強をしていくのが良いかな〜と思います。
・日商簿記試験はこちら→ https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping
加えて、エクセルとかシステムの使い方ですね。営業職の方でも普段から使われている方はいらっしゃると思いますが、今度は仕事自体がエクセルとシステム中心になってくるので、結構高いスキルを求められます。なので、こちらも上記でご紹介している「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)」試験の教材あたりを参考に、人と通りエクセルの基礎知識を習得された方が良いかなと思います。システムの使い方については実際に業務で使っているシステムが何かによって異なってしまうので、これは実際に仕事をスタートしてからマスターをしていけば良いかと思います。
https://mos.odyssey-com.co.jp/index.html
営業から経理へのキャリアチェンジ | 資格について
さて、営業職から経理職へキャリアチェンジするにあたって、資格の取得は必要なのでしょうか?こちらについても過去に記事をアップしてますので、こちらも合わせて参考にしてください。
・過去記事→ 経理の資格は転職で活用できるのか?
簡単に解説しますと、営業職から経理職へのキャリアチェンジの場合、未経験での採用になりますので、簿記の資格があった方が、ない方に比べて有利に働く可能性はあります。もちろん資格を持っているからといって絶対ではないのですが、未経験だが資格を取得したことへの熱意と、基礎力があることの証明になりますので、あった方がプラスには働くと思います。
ただし、資格を取得しないと未経験でキャリアチェンジができない、というわけではないので、資格はプラスアルファーというイメージで勉強をして、同時並行で色々な企業の未経験枠に応募していくのが良いかと思います。その際重要なのは、どの職種を応募するでも同じだと思いますが、なぜキャリアチェンジするのか?ということと、過去の経験で何が活かせそうか、ということです。
前者は、まさになぜ営業から経理へ、大きく職種を変えるのか、ということです。後者については未経験なので経理経験は活用する部分がないと思いますが、例えば業界が同じなので専門用語や業務は理解している、などが経験値としてはアピールポイントになると思います。経理も業界によって専門用語や業務の流れが変わってくるので、その業界について知っている、というのはそれだけアピールポイントになるわけです(^。^)
まとめ
さて、本日は営業から経理へ、というテーマで語ってまいりました。他の職種からのテーマも今後書こうかな〜と思いますので、引き続き読者になっていただけると嬉しいです(*^▽^*)
では、また次回!