クラウド会計ってなに?
本日の話題は、「クラウド会計」です。なんかそもそもクラウドって聞くと、すごそう!って思うんですけど、具体的に何かをイメージする機会ってあまりないですよね。そしてクラウド以外も何かあるのかって、気になったことありません?そこで本日はそもそもクラウドって何かという話や、会計とどういった関連性があるのか、クラウド以外に何があるのか、といったことについて解説をしていきますね!
もくじ
クラウド会計 | クラウドってなに?
まずは、クラウドとは何者かを簡単に解説していきますね。ITのプロからすると正確な表現じゃないかもしれませんが、今回はイメージを掴むための表現なので、その辺りはご容赦を(*^▽^*)
クラウドを理解する前に、オンプレミスという言葉は聞いたことあるでしょうか?多分あまりないと思いますが、ちょっと昔のオフィスだと社内に巨大なサーバーってありませんでした?あれをイメージしてください。昔(といってもここ10年で変わってきた感じですが・・・)は、システムを稼働させるのに自前でサーバーを買ってきて、そこにソフトウェアをインストールして稼働をさせてました。
なので、物理的なサーバーが自社などに存在していたわけですね。社内ではいろんなソフトウェアを使っており、自社内のサーバーに入って処理を色々としていたわけです。
一方でクラウドは、オンプレミスの逆だと思ってください。自社でサーバーやソフトウェアを用意する必要はなくて、サービス利用提供会社と契約することで、インターネットを介して気軽にサービス提供が受けられるようになったものです。まあ、サーバーやソフトウェアを自社で持っているのか、他社からインターネットを介して借りているのか、とイメージするとわかりやすいかもしれませんね。
なんで最初からクラウドが存在しなかったのかって?昔は今みたいにインターネットの通信速度が早くなかったのと、サーバーのスペックもそこまで高くなかったので、そもそも仕組み的にクラウドを使ってサービスを利用するなんてことはできなかったのですね。なので、オンプレミス一択しか選択肢がなかったわけです。オンプレミスにもメリットがあって、現在も引き続きクラウドと両方が使われているわけですが、今回はサーバーの話がメインではないので、ここら辺でストップしますね(°▽°)
クラウド会計 | クラウドのメリット
クラウドになったことによりユーザーのメリットは相当上がったと思います。思いつくものを挙げていくと、
・利用開始までの時間が相当早くなった
・ソフトウェアをアップデートする必要がなくなった
・月次利用が中心になり、手軽に利用できるようになった
このあたりがインパクトとしては大きいですかね。。まず利用開始までの時間が早くなったというのは、先ほど上で書いた通りですが、昔はPCで扱えるソフトウェアでも、購入して、インストールして、セットアップして、と意外と時間がかかっていたのですが、クラウドならユーザー登録するとだいたいすぐに使えますよね!
またソフトウェアをアップデートする必要がなくなったのも、昔はソフトを買ってきて、毎年アップデートをする必要があったのですが、今はサービス提供会社が必要に応じてアップデートしてくれるので、大変便利ですよね。特に経理ソフトなんで毎年アップデートするので、一年に1回とはいえ、自動でアップデートしてくれる方がはるかに楽なわけですね(*^▽^*)
そして最後に月次利用です。サブスクリプションとよく呼ばれているわけですが、昔はソフトウェアを買ってくると当然途中で解約するわけにもいかず、買い切りでしたので、それだけ高価でした。一方でサブスクになると、不要になったら解約すれば良いので、無駄なコストを減らすことができるようになった、というのは手軽に利用開始できるという点で非常にメリットなんですね!
クラウド会計 | その本質は?
では、クラウドソフト自体に何か変化はあるでしょうか?一番大きいのは、ユーザーの利便性が年々向上しているということでしょうか。これは競合も増えてきて、サブスクリプションモデルが標準になってきてお客さんのリテンションが重要になってきたのもあり、各社非常に使いやすいユーザービリティーを提供してますよね。経理ソフトの基本的な部分は昔から変わってないと思いますが、使い勝手はよくなっているような気がします。
また、色々な外部システムとの連携もしやすくなったと思います。昔でいえば、何か連携するごとにシステム開発が必要で多額のお金がかかってたのですが、今ではすでに接続されている状態でサービスが提供されているので、ユーザーは簡単な設定をするだけで連携サービスがすぐに使えるようになったりします。連携サービスが増えれば、それだけ手入力やアップロードなど、マニュアルで作業することが減るので、
・作業ミスがなくなる
・自動化されるので、労働時間が削減できる
のような大きいメリットを得ることができます。本当に便利な世の中になりましたよね〜〜
まとめ
さて、本日はクラウド会計について解説をしてまいりました。モヤモヤしていたもの、なんとなくイメージつきましたでしょうか?
では、また次回よろしくお願いします(^。^)
財務分析とは何か?
さて、今日は「財務」をテータにして語っていきますが、財務の中でも財務分析というテーマの解説にしようかな〜と思います。この辺りもどんな目的、とか、どんなやり方で、みたいなところって体系だって学ぶことはそんなに多くないので、今日は基本的なところを解説していこうかな〜と思います(*^▽^*)
もくじ
財務分析の基礎
そもそも財務分析って何をすることでしょうか?イメージしやすいのは、企業の財務諸表を色々な計算を使って分析して、意思決定に役立てることです。より具体的には、財務諸表だけを見ていてもよくわからないので、それを時系列で並べたり、同業他社と比較することで数字の意味を見出します。そして、それを投資や融資などの何らかのビジネスを実行する際の判断材料として活用するのです。
細かいことはまた後ほど解説しますが、まず重要なのは分析対象のメインは企業の財務諸表です。財務諸表=決算書だと思ってもらえれば良いです。経理初心者に向けた決算書とはなにか?でも決算書の具体的な種類とか目的については解説してますので、そちらも合わせて参考にしてみてくださいね(^。^)
もちろん財務諸表以外にも例えば売上を分解した数字である単価や販売数量、もしくは顧客数など、非財務数値というものも当然分析の対象になってくるのですが、メインの分析対象は財務諸表になるんだな〜ということを頭にまずは入れておいていただければと思います。。
財務分析 | 分析の視点
さて、先ほども軽く触れましたが、ある企業の財務諸表だけ何となく眺めていても、何も判断材料にならないんですね。。なので、先ほども書きましたが、時系列で眺めるか、同業他社と比較するか、このような視点を加えて分析を行なっていきます。
時系列というのは、過去5年分の財務諸表を並べてみて、損益計算書や貸借対照表の推移を確認していくことです。主に損益計算書の時系列分析が使われることが多いと思いますが、ここでは、
・企業の過去からの成長性
・特殊な事象が起こっていないかどうかの確認
の2つが分析のポイントになってくるかと思います。損益計算書を分析する時って、本当は将来の売上とか利益を予想するのが一つの目的になってくるわけなのですが、過去を分析する理由って、「同じ環境で同じ事業を行なっていれば、成長性などは過去の数字をある程度踏襲するはずである」という仮説があり、将来の数字を予測するために過去の成長率の平均値を使ったりするわけですね。まあそれだけ将来を予測するのは難しいので、過去のを参考にした方が、その予測数値にある程度の客観性が担保できるわけですね。当たり前ですが、その過去の成長率がそのまま当てはまるかどうかは、実際に将来時点になってみないと誰にもわかりません(°▽°)
財務分析 | 同業他社比較
もう一つの分析の視点である、同業他社比較についても解説をしていきますね!同業他社比較をすることで、その企業が業界の中でどのような位置付けにいるのかがわかるということです。まあ色々な分析手法があるので、今日はイメージしやすい部分だけ解説をしていきますね。
同業他社比較についても、単純に同業他社を並べただけでは何もわかりません。というのも、そもそも規模が違う会社をそのまま比較しようとしても規模のさぐらいしかわからないので、相対化を行なって比較する必要があります。例えばわかりやすいものでいくと、利益率や売上高成長率などです。利益率を比較することで、どちらの企業が効率的に稼いでいるか、を把握することができますね。これは利益は売上高からそれを獲得するために使ったコストである費用を控除して計算できるので、この費用の金額が小さければ、それだけ労力をかけずに稼いでいるということになります。成長率では、業界平均と比較して成長率が高ければ、それだけ伸びている会社ということになるので、将来の成長も他社と比較して高いのでは?という期待ができるようになりますね。
そして同業他社比較も単年度というよりは過去5年分などの時系列を含めて行うのが通常です。こうすることで、1期間に発生した臨時的な損益などの要因を排除することができるのです。
財務分析 | 分析の目的
ここまで財務分析の大きな視点について解説してきました。細かい分析の手法については様々な書籍が出版されてますので、読みやすそうなものを一度読んでいただくと、何となくイメージがつくと思いますよ!
そしてここでは、そもそも何で財務諸表分析をしなければならないのか、という目的論について解説をしていこうと思います。財務諸表の目的といえば、色々な目的があるのですが、パッと思いつくものでいくと
・投資を行う時の将来予測をするための情報として
・融資をする時の判断材料として
・取引を開始するための判断材料として
あたりがメインかな〜と思います。1番目の投資は個人行う株式投資というのもありますが、どちらかというとM&Aや機関投資家が行う投資という方が、イメージとしては近いと思います。融資は、この企業にお金を貸して戻ってくるかどうかを判断する材料にすること、そして取引はこの企業と取引をしてきちんと期日通りにお金を払ってくれるかどうかを判断する材料にすること、というイメージです。
これらは財務諸表という過去すでに発生した取引を表した数字で分析をしているのですが、同時に将来どのような数字になりそうか?というのの予測の材料として財務諸表を活用しているわけですね!投資した金額で利益が得られそうか?貸したお金、もしくは取引したお金が戻ってくるかどうか?、というのは将来を予測していることに他ならないのですが、将来数字は存在しないので、それで財務諸表という過去数字を最大限分析することによって活用をするわけです。
財務分析 | 重要なポイントは?
財務諸表分析の重要なポイントは、目的意識を持って分析を行うことです。財務諸表分析って細かく分析しようと思えばいくらでも時間がかけられるのですが、目的意識なく分析しても自己満足で終わってしまいます。なので、まず最初にどういった目的のために分析をしたいから、こういう分析手法を使う、という流れで作業をしていかないと、時間かけて分析しても満足いく結果が導き出せない可能性がありますので、ここは十分に注意しましょう!
加えてもう一つ重要なポイントがあります。それはなるべく数字の集計と分析の計算時代に時間をかけないことです。数字を公開情報から一つ一つ取ってきて、エクセルに並べて、分析用の計算式を組んで、みたいなことをしていたらそれだけで1日が終了する可能性があります。無料で効率化する方法としては、EDINETが出しているXBRLを活用するというのがあります。こちらはある程度プログラミングがわかっている方でないと入口が難しいかもしれませんが、プログラムを組んでしまえばかなりの時短になるはずです。もしくは有料のツールになりますが、SPEEDAと呼ばれる財務諸表分析のツールがあります。こちらはプログラムの知識不要で感覚的に操作ができるので、集計作業や計算式を入力する手間が省けます。
・EDINETはこちら→https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/
・SPEEDAはこちら→経済情報プラットフォームSPEEDA |
まとめ
さて、本日は財務諸表分析というテーマで解説してきました。何となくイメージは掴んでいただけましたでしょうか?特に分析するのは何かしら目的があるからなので、ご自身で分析されるときは、ぜひ目的に照らしてどういう分析をしていけば良いか?という視点で取り組んでいただければな〜と思います(^。^)
では、また次回!
財務会計と管理会計の違いがわかる | そもそも管理会計って?
さて、本日はちょっとテーマを変えて、財務会計と管理会計の違いについて語って参ります。「会計」って聞いた時に、おおよそ思い浮かべるのは決算書で、それは財務会計と関連しているのですが、一方の管理会計はあまり聞きなれない用語かもしれません。そこで、本日は同じ会計だけど目的とか用途の違いこの2つの差と使い方について解説をしていこうと思います(*^▽^*)
もくじ
財務会計と管理会計の違い | 基本編
財務会計というのは、決算書を作成するために定められたルールがまとめられたものだと思ってください。ここで言っている決算書というのは、主に上場会社で作成が求められる決算短信や有価証券報告書をイメージしていただくと良いと思います。ちなみに、決算短信や有価証券報告書については、以前の記事、経理初心者に向けた決算とはなにか?、を参考にしてみてください。
一方で管理会計とは、財務会計のように何かルールに従って書類を作成するようなものではありません。経営をよりよくしていくために、会計の考え方を有効活用していこうというのが管理会計のコンセプトになります。なので、一定の基本的な考え方というものはあるのですが、目的は経営をよりよくしていくことなので、厳密なルールは特段定められていないのです。
ということで、まずそもそも両者は目的が異なるので、厳格なルールのもとに書類を作成するかどうか、で大きく異なってくるのです。同じ会計とついてますが、結構別物なのですよね〜〜
財務会計と管理会計の違い | 管理会計とは?
財務会計は皆さんなんとなくイメージがついていると思いますが、管理会計は勉強してみないと、なかなかイメージつかないですよね。いろんな用途があるので、今回はいくつか具体例を使って解説をしていきますね!
管理会計で一番イメージしやすいのは、予算作成と実績管理だと思います。会社って新年度始まる前に1年間の予算を立てて、月次で実績との対比を行っていきますよね!あれは管理会計の一つです。予算作成とか実績管理のやり方って基本的な考え方はあると思いますが、別に厳密なルールは法律で決まってないですよね?これは、予算とか実績管理は会社の経営を良くしていくための手段なので、良くなっていくのであればどんな方法でも構わないからなのですねー
上場会社だと証券取引所のルールがあるので、そのルールには従う必要がありますが、非上場会社などで特段ルールが適用されない会社であれば、柔軟に予算作成や実績管理を行うことができますね。
財務会計と管理会計の違い | どこで使われている?
さて、他にはどんなところで管理会計が使われているのでしょうか?他にわかりやすいところで行くと、固変分解という考え方は、管理会計の考え方ですね!固変分解とは、費用を固定費と変動費に分解することを言います。固定費とは、ここでは売上の増減に関わらず発生する費用で、変動費は売上の増減に連動して増減するものを指すこととします。
固変分解することによって、有意義な分析ができるようになります。例えば、損益分岐点の計算です。損益分岐点って聞いたことあると思いますが、ここでは簡単に、黒字になるのに必要な販売ボリュームだと考えておいてください。それでは、簡単に例を使って具体的に解説していきましょう。
まず、商品1つ販売した時に発生する売上高から、それにかかった費用のうち変動費を引きます(これを商品1つあたり貢献利益と定義しましょうか)。そうすると残っている要素としては固定費だけなので、固定費を商品1つあたり貢献利益で割ることで、いくつ販売すれば固定費が回収できるのか?つまり損益分岐点を超えるのか、が視覚的にわかりやすく計算できます。
このように損益分岐点が計算できれば、新しいサービスをスタートしたり、新しく会社を立ち上げたりする時に、どの程度営業すれば良いかが理解できるので、本当に事業として成り立つかどうかの検証材料にできますね!損益分岐点計算って、新規事業ではよく使われている手法なので、こういったところで管理会計って活用されているんですね〜〜
財務会計と管理会計の違い | 担当する部署は?
管理会計って、企業でいうと、どのような部署が活用しているのでしょうか?例えば予算・実績管理で言えば、経理や経営企画部門が担当していることが多いでしょうし、先ほどの固変分解の話であれば、新規事業をやっている部署や工場の係数管理をしている部署で使われることがあると思います。
なので、財務会計や税金などと違って、特定の部署が専門的に使うというよりは、ビジネスを推進して行く上の手法として、汎用的に使われることが多いのですね、管理会計というのは(^。^)
なので、会計であればまず「簿記」からスタートして、という学ぶ順序みたいなものがあるのですが、管理会計の場合は実践を通じて活用できそうなテーマを使っていって、経験値を高めていく、というのが多い気がします。もちろん分厚い書籍はあるのですが、実際に目の前に課題がないと、財務会計と違ってイメージが湧かないので、実践中心の学問かな〜という気がしております。
まとめ
さて、本日は管理会計中心に、財務会計との違いを含めて語って参りました。管理会計のざっくりとしたイメージつきましたか?予算とか実績管理はイメージしやすかったかな〜と思います!ちなみに、財務会計についてもまたどこかでまとめようかな〜と思います。
ではまた次回(*^▽^*)
経理と財務のキャリアプラン
今日は、経理と財務のキャリアプランについて語っていきますね!経理のキャリアプランについては、経理プロのキャリアプラン、とか、経理プロのためのキャリアアップの道、などでご紹介してきましたが、今回は財務も加えて、経理財務というテーマで解説していこうかなーと思います。それではスタートです。
もくじ
経理と財務のキャリアプラン | 基礎編
経理と財務って近い仕事ではあるのですが、実は結構専門性が分かれる部分もあって、特に会社の規模が大きくなればなるほど、自分の専門性をどちらかにしていく必要があるのですね。大まかには企業規模によって、キャリアプランが若干変わってくるのですが、①小規模企業であればそもそも経理が全部のバックオフィスに責任を持ってたりするので、財務はもちろん経理が担当します。②中規模ぐらいになってくると担当者が経理と財務に別れているケースはありますね。ただ、この場合は比較的財務職も経験しやすい環境だと思うので、小規模の時と同じく、両方経験が可能だと思います。責任者、例えば部長レベルになると、経理と財務両方を管理する必要があるので、中規模サイズの会社であれば、両方経験しておいた方が、管理職になった時にスムーズにチームをリードできるかもしれません。③そして企業規模が大きくなってくると、そもそも部署も経理と財務で大きく別れているケースもあります。なぜ部署ごと別れているかというと、企業規模が大きくなると、財務の資金調達の仕方も複雑になりますし、資金繰りも難易度が上がるので、専門性を向上させていかないと対応が難しくなってくるからなんですねー。なので、大規模企業になってくると、ご自身で経理と財務どちらのプロになっていくのかを考えていく必要があると思います。
経理と財務のキャリアプラン | 財務編
では、財務ってどんなキャリアプランになっていくのでしょうか?企業の財務のキホン、という記事で財務のお仕事については解説しておりますので、こちらも合わせてチェックいただきたいのですが、主には資金の調達と、資金繰りの管理と、入出金の管理の3つになってきます。会社の規模が小さいうちは入出金管理がメインになってくると思いますが、規模が大きくなるにつれて、資金調達の業務のウエイトが大きくなってくると思います。
特にグローバルに展開している企業になると、世界で最適な資金調達をしなくてはならないので、日々市場の環境を確認して、色々な金融機関と会話をする必要があるので、マーケットの知識や資金調達に関連した法律の知識、そして、資金を必要としているビジネスの知識など、幅広くかつ専門的な知識を求められます。経理との違いでいくと、経理は経理を行うためのルールなどを理解して活用していくということに重きが置かれ、これは財務でいう法律や契約関連の知識に近いところですが、財務の仕事の中ではこれに加えてマーケットの知識が結構求められてくるようになるということですね。金利や為替の動向が中心になってくるかと思います。経理職だとマーケットの知識が多く求められるわけではないですが、その分会計ルールなど覚えるべきことが多分にあるので、勉強すべきボリュームから考えると、両方の仕事とも多いことに変わりはないと思います。。
さて、財務職を選択した場合、その後どのようなキャリアが考えられるでしょうか?イメージできるのは、財務の責任者(例えば財務部長など)になって財務部署のマネジメントをすること、もしくはさらにその上のCFOや役員を目指してより広い組織をマネジメントする、ということです。ポジションが上がっていくほど、求められる知識や経験が増えていき、CFOになると当然財務以外の知識も求められることから、幅広い対応力が必要になってきます。もちろん全てを自分で理解し、経験するのは難しいので、専門的なスタッフや外部の専門家と協力し、いかに目標を達成するか、の組織マネジメントに力点が置かれるようになってくる、とイメージすると理解しやすいかもしれません。
経理と財務キャリアプラン | 経理と財務どちらを選ぶ?
では、経理と財務どちらで自分のキャリアを形成していくのか?これは、ご自身の趣向や興味がどこにあるのかがもっとも重要な判断軸になってくると思います。どっちを選んだから絶対成功する、なんてことは誰にもわからないので、まずは自分の興味がどちらにあるのか、ということを軸に選んでいっても良いかもしれませんね。ちなみに、関連する職種として経営企画というものがありますが、こちらは以前の記事、経理から経営企画へのキャリアシフト、というところで解説しておりますので、ぜひこちらもご参考にしてください(*^▽^*)
おそらくご自身としてキャリアを考えていく上で重要なのは、どの職種にいくか、ということ以上に、将来的にニーズがありそうなことはこういうことだから自分はその職種で経験を積んで、こういう活躍をイメージするのだ、という妄想力なのだと勝手に思っております。
仕事や職種で求められることって、その時の時代の背景や、世界の兆候なので大きく変わっていくので、今これをやっておけば一生安泰、なんてものはなかなか存在しないのですよね。なので、常に世の中の状況を把握したり、同じ職種もしくは近い職種の人と意見交換することで情報を集めて、自分のイメージした道を選んでいくということになります。
とはいえ、経理職も財務職もほとんど変わらない部分の知識や実務経験というものは結構存在するので、まずはそれをしっかりとマスターするところからキャリアのスタートとした方が良いかなと思います。土台がないと、応用はなかなか身につきませんので(°▽°)
まとめ
ということで、財務を中心にキャリアプランについて解説して参りました。経理も財務も極めようとすると、かなり奥が深いんですよねーー。どこまで専門性をマスターするべきか、どこからマネジメント経験に移行していくべきか、キャリアプランの悩みどころです。
その他の職種についても今後色々と解説をしていこうかなー、と思いますので、ぜひ今後ともチェックしてもらえると嬉しいです(^。^)
それではまた次回〜〜
経理初心者に向けた決算とはなにか?
さて、経理初心者向けということで、今回はよく聞く「決算」って何かについて説明をしていこうと思います。「決算」って何となく聞いたことあるけど、正しく理解している人ってそんなに多くないんじゃないですかね??
そこで今回は経理初心者に向けて、決算とはなにか、から丁寧に解説をしていこうと思います。それでは行きましょう!
もくじ
経理初心者が学ぶ決算の基礎知識
さて、今回は株式会社を想定して書いていきますね。個人事業とかも考えだすと混乱してしまうので、シンプルに企業、つまり株式会社をイメージしてもらいます。
「決算」というのはそもそも何の目的で作っているのでしょうか?大きく3つぐらいに分かれてまして、
・株主や債権者など企業関係者への報告書(株主総会で使用)
・株主を含む投資家(まだその会社に投資していない人も含む)への情報提供
・税金計算用
ということをまずは頭に入れておきましょう。なので、それぞれの目的用に作成する決算のボリュームとか粒度も異なってきます。
経理初心者が学ぶ決算の基礎知識 | 株主・債権者等
これが一番わかりやすいかもしれませんが、会社法にしたがって、年に1回株主総会で作成した決算を株主さんに承認してもらわなければならないんですね。3月決算の会社だとよく6月に株主総会を開催してますよね、あれです。
そしてここで承認を受けた決算書が、銀行とか金融機関などの債権者にも説明資料等で使われたりします。この会社法の決算書は、作る種類は減るものの、上場会社でなくても作る必要があるので、「決算書見せてください」というと、この決算書がご登場することになると思います(*^▽^*)
経理初心者が学ぶ決算の基礎知識 | 投資家
続いて、こちらが上の決算書と割と混乱するのですが、こちらは主には上場している会社が作成して公表するものになります。まず有名なものでいくと、東京証券取引所に提出する決算短信というものですね!これが各種決算書の中ではもっとも早く出るものになります。新聞とかで言っている決算も基本的にはこれですね。企業のIR資料で決算発表で出てくるのもこれです。
ちなみに東証のTD Netというところに公表されます。
https://www.release.tdnet.info/inbs/I_main_00.html
続いて登場するのが有価証券報告書ですね!これは前回書いた、経理初心者のオススメの勉強方法、という記事でもご紹介したEDINETという仕組みに公表されます。内容のボリュームでいくと、この有価証券報告書が圧倒的に多く、粒度も細かいです。ただし即時性というところでは、決算短信の方が早いです。どちらかというと、じっくりとその企業を分析するための情報になりますかね〜〜
ちなみにEDINETはこちら、
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/
そして、有価証券報告書の関連する書類として、四半期報告書というのがあります。これは、有価証券報告書が年度末に作るものであり、そのほかの四半期ごとには、有価証券報告書を簡略化した、四半期報告書を作成・公表することになっています。ただし、四半期ごとに公認会計士の監査が必要になってくるので、上場している会社は休みなく決算と監査が来るイメージですね!
四半期も簡略化しているとはいっても、まあ作業ボリュームは多いので、決算ごとに業務は大変だと思います。。
そして、これらの情報は、投資家(主に対象の会社の株式を売買しようとしている人)が見て、投資するか売却するか、などの判断材料に使われたりします。これらの情報は基本的に誰でも閲覧できるようになっているので、ご興味ある方はぜひ一度チェックして見てください!
経理初心者が学ぶ決算の基礎知識 | 税金計算
さあ、最後が税金計算です。企業が税金を計算する時って、決算書を基礎として、そこから税務特有の調整を加えていって、最終的に申告書を作成するんですね。なので、税金計算については、別途決算書を作成するというよりかは、すでにある決算書をベースにして申告書類を作成するということになります。
ただ、会計の世界と税務の世界って似ているようでかなり違う部分があって、企業の規模が大きくなればなるほど、調整項目も多いですし、複雑な処理が入ってくるので、難易度はかなり上がってきます。
まとめ
さてさて、本日は決算の種類とか目的、タイミングについて解説をしていきました。今までモヤモヤしていた決算という意味が、少しはクリアになったのではないでしょうか?ちなみに、有価証券報告書を見ていただくとわかるのですが、びっくりするぐらいボリュームがあって、「こんな量の情報を作成するのか」と思われるかもしれません。そうなんです、決算って貸借対照表と損益計算書だけじゃなくて、注記とかめちゃくちゃ細かいんですね(°▽°)
まあ、上場会社の経理になるとこのようなものを作成しなきゃいけないんだな〜とイメージをつけてもらえると大変嬉しいです!
では今回はこの辺で終わりにしますね!次回をまた楽しみにお待ちくださいな(*^▽^*)
経理初心者のオススメ勉強方法
さて、今回はワリと好評なキャリアプラン関連のネタとして、経理初心者に向けたオススメの勉強方法を解説していきます!どちらかというと、実務で初心者の人が仕事を覚えていくときに、どのような勉強をしておくと効率よく実務が習得できるか、ということについて触れていきますね!
もくじ
経理初心者に必要な勉強3選
経理初心者が実務に入る前に学んでおくべきことは3つあります。1つ目が簿記の基礎を取得することです。これは、経理初心者へ簿記を勧める理由、という記事でも書かせていただきましたが、経理の基本は何と言っても簿記です。簿記の構造とか体系がわかってないと、仕事スタートするとかなーりキツイので、仕事をスタートする前にマスターしておくようにしましょう!
2つ目は、エクセルです。ワードとパワーポイントを上回ってエクセルです。経理をやっていると、エクセルとかなり友達になれます。基本的な使い方もそうですが、結構関数を多用します。多用しなくても仕事はできるのですが、効率から考えると数倍から10倍ぐらい変わってくるかもしれませんね。。経理に絶対必要なエクセルの知識、でも経理で活用できそうなエクセルの知識と活用法を解説してますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
3つ目は、システムに関する知識です。エクセルもシステムといえばシステムなのですが、ここでいうシステムは単独のソフトウェアというよりは、業務全体の流れとそこにシステムがどのように絡んでいて、データ連携がどうなっているか、帳票の元となるデータベースがどういう構造になっているか、このあたりの知識ですね。プログラミングをやってください、という訳ではないのですが、経理の仕事って、結局はビジネス取引を数字に落としていく仕事なので、全体の業務フローとそれをサポートするシステムの構造がある程度わかってないと、正しく記帳できないんですね。なので、プログラミングというよりは、業務フローやシステムフローを正しく理解しておく、ということが重要になります。こちらは仕事に入らないとわからないので、入る前の留意点として、覚えておきましょう。
経理初心者の勉強法 | まずは簿記マスター
3つ紹介してきましたが、経理初心者が最優先で学ぶのはやっぱり簿記です。今日はちょっと変わった勉強の仕方を紹介していきましょう。以前、日商簿記などの資格試験を題材に勉強した方が効率的ということを解説しましたが、その補足説明にもなります。簿記を理解するということは、複式簿記をマスターすることでもあるのですが、複式簿記をマスターする近道としては、会社で発生したあらゆる取引を、仕訳で常に考えてみることをオススメします。
例えば、月末に交通費精算とかされると思いますが、この時ってどんな仕訳が会社で発生するんだっけ?とか、備品を購入したときにどんな仕訳が発生するんだっけ?とか、実際発生した取引を使って、妄想してみると、結構練習になります。これ、英語でも活用されている方いらっしゃるかもしれませんが、英語と簿記って結構似ているところがあって、
・英語は日本語をどのように英語に変換するかを考える
・簿記は取引をどのように仕訳に落とし込むかを考える
と整理すると、頭の思考方法って結構似てますよね。「簿記ができるようになった!」って実感する瞬間って、目の前にある取引の仕訳がパッと頭に思い浮かぶようになったときなんですね。ちなみに、このパッと思い浮かぶようになると複式簿記はほぼマスターしたと言っても過言ではなくて、複雑な処理とか色々あるのですが、結局基礎はこの複式簿記になるので、見たことがない処理でもある程度予測を立てて調べることができたりします。
おそらく簿記が得意になる境界線って、この反射的に仕訳がイメージできるか否かというところなのではないかと思います。。
ちなみにこの勉強方法をマスターすると良いことがあって、頭でイメージして仕訳を考えるだけなので、机に座って勉強する必要がなくなるんですね〜。なので、例えば通勤途中の暇な時間に考えたり、お風呂に入りながら考えたり、と場所を選ばず勉強できます。また、準備しなくていきなり考えられるので、非常に効率的ですねー
経理初心者へのその他オススメの勉強法
簿記が基本ではあるのですが、最終的に決算書を作らなきゃいけないということもあるので、決算書がどんなものなのかのイメージを膨らませることも非常に大事ですね!問題集の決算書とかでも良いのですが、やはり実際の企業の決算書の方が現実味があるので、イメージが膨らむかと。
オススメですが、EDINETという上場企業の決算書(有価証券報告書と言います)を公表しているサイトがありますので、こちらを見られるのが一番良いのではないかと思います!
こちらにリンクを貼っておきます
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/
まあ、ご覧いただくと問題集より圧倒的に複雑な決算書なんですが、上場企業レベルだとこれぐらいの決算書を作成しなければならないんだなー、というイメージが湧くと思います。
まとめ
ということで、本日の一番重要なポイントですが、やはり経理初心者の方の一番重要な勉強は簿記です!まずはこれをしっかりマスターしていきましょう!!
では、また次回(*^▽^*)
経理の資格は転職で活用できるのか?【2021年版】
はい!今日は、経理の資格と転職の関係について語っていこうと思います!資格とか転職って結構みなさん興味あるテーマなんじゃないでしょうか??そもそも資格とってから転職した方がいいの?とか、どのレベルの資格とれば良いの?とかそのあたりの疑問って結構あると思いますので、今日はそこを解消しにいけそうな記事を書いていきます。ちなみに、ここで書くのはあくまでも一例で、企業の状況とかによって全く変わってくるので、あくまで参考までにご覧ください!
経理の資格ってどんなものがあるの?
経理関連の資格って世の中色々とあるのですが、有名どころでいくと日商簿記検定ですね。国家資格ではなくて商工会議所がやっている資格なのですが、あまりにも有名なので、経理の人なら誰が聞いても知ってます。リンク貼っときますね。
本日は、一番有名な日商簿記を中心に説明していこうと思います。ちなみに日商簿記ですが、3級から1級とありまして、3級が初級者レベルで、仕訳の基礎から決算の基礎までを一通り勉強する感じです。続いて2級は中級者レベルで、ちょっと複雑な仕訳から工場で使う原価計算というのを勉強していきます。製造業で働いているとよく見る経理ですねー。最後に1級ですが、これは上級者向けで、突然レベルが上がります。仕訳とか決算なども計算もそうなのですが、理論系の勉強もしていきます。連結決算や管理会計も出てきますので、相当幅広いですね!
イメージですが、2級と3級は早い人だと学生で取得している人もいますね。合格率も低くはないので、しっかりと勉強すれば合格できるものです。1級は一気にレベルが上がって、結構合格するの難しいです。実務やっている方でもなかなか取得難しいのではないでしょうか?難しいといっても、公認会計士や税理士ほどの難易度ではありませんが、とはいえちょっと勉強して受かるレベルではないです。容量良い方でも、そもそも範囲が広いので、それなりに勉強しないと受かりません。
経理の転職と資格について
さて、日商簿記の概要もわかったところで、次に転職との関係について語っていきましょう。経理プロのためのキャリアアップの道、という記事でも書いたのですが、資格との関係は、転職する人がどのようなキャリアでどのようなポジションを受けようとしているのか、ということでだいぶ異なってくる印象です。
まず、未経験者や多少やっていたがほとんど初級者、という場合は2級レベルを持っていると、基礎がしっかりと理解できているので、未経験だけど短い時間で戦力になってくれそうだな、という印象になると思います。もちろんこれは、採用するポジションが未経験OKという前提ですが。ちなみに、ここから先も共通するのですが、資格は全部の評価要素の一つでしかないので、資格があったからOKということではありません。未経験者であれば、「なぜ転職したいのか?」「なぜ経理なのか?」「どういうキャリアを形成していきたいのか?」「人柄は?」などの部分も評価項目になると思いますので、資格を持っているというのは、「基礎力チェック」と「やる気」という点で加点要素になる、と理解しておくのが良いかと思います。
続いて経験者になってくると多くの方が2級を持っていると思うので、資格としては加点にも減点にもならない印象です。どちらかというと、過去の経験やスキルが問われてきます。「転職理由」とか「人柄」とかは未経験と同じですが。資格という点でいくと1級があると、複雑な決算も対応可能な基礎力があると判断される可能性があるので、加点にはなると思います。ただし繰り返しになりますが、経験者以降は過去の実績・経験がもっとも重要なので、1級持っているからOKというわけではないと思われます。
最後に、マネジャー以上のマネジメントレベルでの採用ですが、これは過去の経験+マネジメント経験が問われてきます。マネジャーより上になってくると自分で作業をするというよりはチームメンバーを育成してリードしていかなければならないですし、監査法人など外部の方々とのコミュニケーションや議論も多くなるので、過去どれぐらいマネジメント経験があるのかは、大変重要なポイントになってきます。
ここまでくると資格以上に、マネジメント経験そして、過去の実績もどれぐらい難易度の高い課題を解決してきたか、という課題解決力の方に重きが置かれてくると思いますので、大きな加算要素ではなくなってくると思います。結局、このレベルまでくると本当の意味での即戦力化を求められるのと、基本的には全ての問題を自己解決することになるので、それぐらいの経験値とマインドセットが求められるからです。
経理の転職で結局重要なのは?
採用ポジション別に色々と書いてきましたが、結局ポジションが上がっていくにつれて、過去の経験値が非常に評価されてくるということですね。これは採用する側から考えるとイメージつくのですが、ポジションが高いということは会社において大変キーとなるポジションなので、ここでミスマッチが起きるとダメージが大変大きいのです。なので、どこを見るかというと、過去何をしてきたのか?を見るのが一番確実性が高いんですね。
一方で、未経験や比較的初心者に近いポジションであれば、育成期間も考慮した上でポテンシャル採用ができるので、過去の経験よりは、経理に対する素養(資格も一つの証明になります)、やる気、などが重視されていくわけですね。
経理と資格 | まとめ
色々と書いてきましたが、経理プロを目指す方はまずどういう経理の経験をしていくべきか、経験軸は必ず大切にしましょう。そしてさらなる加点要素として資格をとる、というのが良いかなーと思います。そして資格はとるというメリット以上に、簿記の場合実務の知識が結構体系化されていて、かなり勉強した内容が実務で役立つことが多いので、実務しながら資格の勉強すると、非常に効率よく知識を蓄えることができると思いますよ。
ということで、今回は経理の資格と転職の関係について語ってまいりました(*^▽^*) 次回も楽しみにお待ちくださいな(^。^)