工場の経理ってどんなもの?

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さて、本日はちょっとテーマを変えて、工場の経理について解説をしていきます。馴染みのない人の方が多いと思うので、あえてテーマで解説をしてみようと思いました(*^▽^*)工場、つまり製造業の経理になるわけですが、製造業の場合「原価計算」というのが特殊分野になってきますし、実際結構難しい内容なんですね。日商簿記でいくと、「工業簿記」というのが、この原価計算に該当してきます。それでは、内容に入っていきましょう!

 

もくじ

 

 

 

工場の経理 | 基礎編

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さて、工場の経理でも特に特殊な分野である原価計算について解説をしていきます!原価計算って何を目的にしているかというと、1つの製品を製造するのにどの程度のコストがかかったのかを集計するための計算方法なんですね〜。日商簿記やられている方だと2級から登場すると思いますが、まさに製造コストを計算することが最終目標なんですね。

ここで、簡単じゃーん、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、材料費とかその製品にかかった直接の人件費だけ、ならコスト計算簡単なのですが、間接費といって、その製品の製造に直接ではないけど間接的にかかっているコストが特殊なんですね〜。例えば、工場の電気代とか、あとは工場全体で共有で使っている資産の減価償却費など、これって直接どの製品のコストが判別できないですよね?だからこそ、例えば製品の重量とか製造にかかった時間とか、いろんな基準を用いてこれを配分していくんですね(配賦と言ったりします)。

 

工場の経理|なぜ原価計算が必要?

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でもかかったコストって全体額ではわかるので、損益計算書原価計算しなくても作れそうですよね?それにも関わらず、なぜあえて原価計算をしなければならないのでしょうか?これは製品ごとに正しく利益が出ているかどうかを把握するためなんですね!工場全体で儲かっているからと言って、必ず製品ごとに利益が出ているとは限らないですよね?

儲かっている製品もあれば、赤字になっている製品もある、その合計が損益計算書の利益として計上されているわけです。なので、例えば赤字の製品の製造をストップすれば、利益の金額ってもっと増えると思いませんか?その意思決定をする上で、原価計算というのは大変重要な計算ツールなんですね。

原価計算の細かい方法については、日商簿記の2級や1級が参考になると思いますので、気になる方は、関連テキストなどを確認されると良いと思います(^。^)

 

工場の経理 | 原価計算から管理会計への応用

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財務会計と管理会計の違いがわかる | そもそも管理会計って?、で管理会計について解説をしましたが、その管理会計って原価計算を基礎としているんですね。そこで、工場の経理管理会計の関係についてここで解説をしていこうと思います。

工場で使う管理会計で有名なものに、活動基準原価計算(ABC)というものがあります。ちなみにABCは、activity based costing、の略になります。これを説明する前に、先ほどの間接費の配賦について思い出してください。あれって間接費を、ざっくりとした基準で製品ごとに配賦計算していくものでしたね。でもあくまでざっくりなので、正しい1製品あたりのコストを示しているかというと、ちょっと正しいとは言えないですよねー。

そこで登場したのがABCです。何が違うかというと、配賦計算の基準を細かく分解して、たくさんの配賦基準を設定することで、正しく製品単位あたりのコストを計算しよう、というところです。例えば、電気代であればラインごとの電気使用量が計測できればそれを基準にして配賦計算を行う、もしくは共有資産の減価償却費であれば、ラインごとの使用量みたいなものを計測して、それを基準に配賦計算する、などです。

このように細かく基準ごとに分解することで、ざっくりよりは正しくなったよね、ということになるわけです。ここで原価計算の目的を思い出してもらいたいのですが、ビジネス的には製品1つが儲かっているかどうかを判断したいということなので、より正しくコストが計算されていないと、意思決定を誤る可能性がありますよね。なので、ざっくりではなくABCのように細かく配賦計算をしていく、ということが非常に重要になってくるんですね〜

ちなみに、このABCですが製造業だけじゃなくて小売などのサービス業、もしくは本社機能(例えば経理とか人事などのバックオフィス)にも活用することができます。

 

工場の経理 | 勉強するには?

これも先ほど触れましたが、例えば日商簿記の工業簿記がオススメです。2級で基礎を、1級で応用を学ぶイメージです。3級まで学んだ方がつまずくポイントでもありますが、工業簿記は商業簿記と違って実際の流れがイメージしにくいので、なかなか仕訳が頭に入ってこないというのがあります。ここは慣れなので、可能な限り工場のオペレーションを頭に思い浮かべて、仕訳や処理をマスターしていくようにしましょう。イメージさえできてしまえば、そこまで難しくないことに気づくはずです。

原価計算をマスターしなくても管理会計は学習できますが、ABCなど原価計算をベースにしている箇所もあるので、原価計算をマスターした上で取り組んだ方が、より理解が深まるとは思います。なので、まず2級で工業簿記、原価計算の基礎を理解してから、管理会計の勉強の取り組まれた方が良いかな〜と思います。

 

 ・日商簿記はこちら→ https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping

 

ちなみに、工業簿記と原価計算の用語が混乱しますが、ここではざっくりと同じだと理解していただければ大丈夫です。

 

まとめ

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さて本日は工場の経理というタイトルで、原価計算の解説を主にしてまいりましたー。そして原価計算から管理会計の工場での応用方法ということで、ABCという計算手法について簡単に触れさせていただきました。

商業簿記と違って、数字がいろんなところに散らばっていて、なかなか全体像を把握することに苦戦する分野ではありますが、慣れてしまうと結構楽しい領域でもありますので、みなさまぜひ一度書籍等で学習をしてみてくださいね!

それでは、次回にまた!

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